指導に対する考え

指導に対する考え · 2024/04/20
 一研会では入会前を除いて稽古の見学はお断りしています。理由の第一は子供達に稽古に集中してもらうためです。...
指導に対する考え · 2023/04/24
 この春もたくさんの方が一研会に入会してくれました。ありがとうございます。ただ、どうしても気になることがありここに書いておきます。ちなみに道場生にはこの話は定期的にしています。...
指導に対する考え · 2023/04/05
 一研会の道場生の入会動機は『礼儀作法を学ぶ』『楽しそうだった』『体力増強』が大半を占めます。これらは保護者の方の意見ですが、実際に入会して順調にオレンジ帯に昇級し、組手稽古を開始した時点で道場生本人や保護者の方がギャップを感じることがあるようです。空手の格好いい部分や楽しそうな部分だけを見て、それが全てだと捉えているとそう感じるかも知れません。しかし、どう取り繕っても空手は人を倒す術を学ぶ武道です。  現在は、私が若い頃のように校内や町中で殴り合いの喧嘩を目にすることは少ないでしょうし、私より少し若いくらいの道場生にも「人を殴ったことも殴られたこともない」という方がいます。という私も日常で自分から暴力を振るうことはありません。しかし、どこにでも攻撃的な人はいますし、世界中に暴力は蔓延しています。  だからこそ、そういった不当な暴力(言葉の暴力も含みます)への対抗手段は必要だと思います。もちろん自分から積極的に暴力的な手段を用いることは論外ですが、逆に万一相手がそのような手段で意に反することを強要してきた場合、それに対する武力がないと辛いことになります。  戦国時代に比べて比較的平和なはずの江戸時代でも、武士は学問と同時に武芸に励みました。彼らは『力なき正義は無能』だと知っていたのではないでしょうか。
指導に対する考え · 2022/05/24
 道場内交流試合の申込締切が近づいて来ると、保護者の方から「出場するかどうか、迷っています。うちの子は試合に出て大丈夫でしょうか?」という質問をいただくことがあります。この質問は、お子様もご両親もこれまで空手の経験が無く、ましてや初めての試合となれば当然のことだと思います。これに対する私の回答は「無理強いはしませんが、ぜひ挑戦してみてください」です。  実力的に試合が成立しない、という場合はもちろん出場を止めますが、自分の考えとしては『百見は一触に如かず(範馬勇次郎)』です。百回の稽古より一回の試合。普段の道場稽古と試合本番では、得られる経験値の量がまるで違います。それに勝てば自信になりますし、負けても経験になります。どちらの結果が出てもOK。こう考えればやらない手はありません。  迷っているなら、先ずは経験してみるべきです。    
指導に対する考え · 2022/03/20
『技術が身につけば自信は後から付いてくる』これは私の指導における基本的なスタンスです。しかし、その一つ手前の段階で躓いている道場生が最近よく目につきます。要はどんな稽古にも積極的に取り組まず、そのせいで技術の習得がスムーズに行かないケースです。...
指導に対する考え · 2022/03/06
4月からキッズクラスを正式に開講しますが、プレオープン中の現時点で痛感しているのが、人が成長するには相応の時間がかかるということです。考えてみれば、上級者の道場生もこれまで長い期間をかけて努力して現在の実力を身に付けたのですから当然のことです。...
指導に対する考え · 2022/02/22
 昨日の稽古の前に数人の道場生と個々に少し話をしました。内容は組手に対する恐怖心について。これは昔から現在に至るまでのフルコンタクト空手の恒常的課題のひとつです。当然と言えば当然で、大抵の人は殴られたり蹴られたりするのは怖いでしょう。じゃあ、当てなければいいのでは?となると当てない空手(ノンコンタクト空手)のアンチテーゼであるフルコンの存在意義が揺らぎます。  実際に相手と殴り蹴り合うフルコンタクト空手の稽古は楽しいだけでは決して済まないものです。組手は痛いし稽古はキツいし、おまけに先生は怖いしで楽しい要素を見つけるほうが難しいくらいです。それでも私は、自分を倒そうとする相手と覚悟を決めて真っ向から向き合うフルコンタクト空手でこそ得るものは大きいと自負しています。  私は空手界の悪き慣習である合理性に欠ける稽古や『先生がカラスが白い、と言えば白い』などという馬鹿げた師弟関係が激しく嫌いです。しかし、合理的な稽古で身体と心に正しく負荷をかけ、昇級審査や試合に挑戦し、出た結果について悩み考え、そして組手の痛みと恐怖を克服するに至る過程で、肉体的にも精神的にも大きな成長があると考えています。  それを平たく言うと『痛みなくして得るものなし』となるのかなと思います。    
指導に対する考え · 2021/11/04
 キッズクラスの道場生はみんな子供ながらに色んな思いを胸に秘めて道場に来ていると思います。幼くてもお家や学校で色んな出来事があり、正の感情や負の感情を内包していると思います。ただ、それがどんな感情でも道場に入る際には一旦気持ちをリセットしましょう。嬉しい気持ちも悲しい気持ちも楽しい気持ちも不安な気持ちも、そしてお昼寝を邪魔されて嫌な気持ちも全てリセット。   感情に任せた稽古をすると大抵は碌な結果なりません。『今日は学校のテストで100点とって気分が良い‼️』とか『道場に来る前にお母さんに叱られて悲しい』などと言った事情は他の道場生には関係ありません。道場では日頃の諸々の雑事を切り離して稽古するのが礼儀です。そして、ひたすら平常心でお互いを研く、それだけです。  これからは道場に入る前に胸に手を当てて自分自身に聞いてみてください。その時『今日の自分には平常心で稽古に取り組む自信が無い』と判断した時は、潔くその日の稽古は諦めましょう。  少なくとも色帯以上の道場生はその帯を有する者の矜持を持って稽古に参加して欲しいと思います。 ※白帯や幼年部の皆さんは怖くても、泣きながらでも、眠い目を擦りながらでも、お母さんと別れるのがつらくても頑張って稽古に参加してください。
指導に対する考え · 2021/08/04
 昇級審査会も近づいてきて、ここに来て週1コースから通常コースに転向する道場生が増えてきました。本人なりに稽古の必要性を感じたのでしょうか。  私自身、強くなるためには稽古の頻度を上げることが大切だと考えています。ただ、どうしてもスケジュール的に週に一回しか道場に来れないという場合も当然あると思います。...
指導に対する考え · 2021/05/01
 稽古前の準備運動は、毎回少年部の中から何人かを指名して彼らに進行を任せています。もちろん準備運動は稽古前のウォーミングアップの意味で必要だとは思いますが、自分としては進行役を道場生に任せることの方が意味があると思っています。そして指名するのはあまり人前で話すのが得意でなさそうな道場生です。彼らには、まずは人前で大きな声で話すことに慣れてもらって、いずれは必要な時に自分の意見や気持ちをちゃんと発言できるようになってもらいたいと思っています。  子どもの社会だけでなく、大人の社会でも今やイジメやパワハラは蔓延しています。その標的となるのはいつも抗う術を持たない人です。法治国家である日本で暴力による問題解決は積極的におすすめできません。それならせめて自分の気持ちをはっきりと言葉にして伝えられる強さが必要です。  世の中はどうしても謙虚で奥床しい人の意見よりも、仮に誤った意見でも自己アピール上手で声の大きな人の意見が通ってしまいがちです。空手の世界では『力なき正義は無能なり』とよく言いますが、その力とは肉体的な力だけでなく自分の意見を強く発信できる力のことでもあると思います。

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