激しく稽古をしていると徐々に息が苦しくなり、筋肉や関節に痛みが走り、乳酸が溜まって足が動かなり、ついには手が上がらなくなったりします。身体がこれ以上稽古することを拒否する訳ですが、これは大体の場合身体はまだ余力を残しています。実際の限界は大分先にあります。
身体の苦しさや痛みは、身体が実際の限界に達する前に『これ以上続けると怪我の危険が増えるよ』というような意味で送ってくるメッセージです。稽古を始めて間もないうちはこのメッセージを真に受けてしまい、この辺りで稽古終了ということになってしまいます。
実際はここからが本当の稽古です。ここから少しずつ稽古の強度を高めて本当の限界、怪我をするとしないの境目を見極める作業のスタートです。しかしそう簡単に肉体の限界は見えてきません。それより先に心が悲鳴を上げます。まずは『これ以上できない』という心の限界のブレイクスルーです。
ちなみに年寄りになると心の限界はともかく、身体の限界には簡単に到達します。しかも怪我をするとなかなか治りません。心の傷はすぐに治ります。