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一研会の原点

 今年の7月で空手道一研会は開設から丸6年を迎えます。
 一研会の始まりは、現在のような道場ではありませんでした。
 当時の名前は「香芝空手同好会」。同年の2月に数名の子どもたちと一般部の人たちでスタートした、本当に小さな集まりでした。
 今振り返ると、あの頃は道場を大きくしたいとか、会員を増やしたいとか、そんなことを考えている余裕はありませんでした。ただ、目の前にいる子どもたちが空手を続けられる場所を残したいという思いだけで始まったように思います。
 ところが、同好会を立ち上げてわずか2週間ほどで世の中はコロナ禍へと入っていきました。先の見えない日々が続き、このままみんなの熱も冷めてしまうのではないか。同好会も自然消滅してしまうのではないか。そんなことを考え、大いに寂しく思っていました。
 稽古ができない間は、自宅でも身体を動かせるようにYouTubeで「おうちでできる稽古」や、黒帯の先生に協力してもらって「おすすめの本」の動画などを公開したこともありました。そして、さまざまな制限がある中で少しずつ稽古を再開することになります。
すると驚いたことに、子どもたちは以前と変わらず稽古に来てくれました。私はそのことが本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
 そして、その子たちが火種となり、道場生の人数は少しずつ増えていきました。今振り返ると、活動が制限されていた時代だったからこそ、空手という居場所を求めてくださる方も多かったのかもしれません。しかし、その始まりにいたのは間違いなく最初のメンバーたちでした。
 稽古を重ねる中で、私の考えにも少しずつ変化が起こりました。どうせなら、自分の所属する場所に誇りを持ってほしい。胸を張って「自分はこの道場の道場生だ」と言える場所にしたい。そんな思いから、「空手道一研会」という名前を掲げることになりました。
 一研会の「一」は、当時の中心メンバーだったSさんが好きだと言った漢字です。そして「研」の文字は、私が信頼する人生の先輩の黒帯の方からいただいた助言に由来しています。こうして生まれたのが一研会という名前です。
 また、一研会には「一代一研」という言葉がありますが、これは『一生をかけて一つのことを研く』という私の考えた造語です。ただし、それは空手だけを意味するものではありません。空手を通じて、自分自身を研き続ける。そんな思いを込めています。
 設立当初のメンバーの多くは、今ではそれぞれの道を歩いています。以前のように顔を合わせる機会は少なくなりました。それでも、一研会の原点が彼や彼女たちであることは今も変わりません。今の一研会の雰囲気や文化の土台には、あの頃の子どもたちが残してくれたものがあります。
 指導のことで迷った時は、私はいつも最初のメンバーたちのことを思い出します。彼ら彼女らならどう言うだろうか、などと考えて、もう一度指導方針を練り直したりもします。
 皆さんがいたからこそ、一研会はここまで続いてきました。本当にありがとうございました。そして、どこにいても、それぞれの場所で元気に頑張っていてくれることを願っています。