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連載⑥道場生の成長について

 長く指導をしていると、子どもたちの成長を感じる場面がたくさんあります。特に高学年から中学生になる頃は、大きく変化する時期です。

 小さい頃は元気いっぱいだった子が急に落ち着いたり、私との距離感が少し変わったりします。以前はよく話してくれた子が、少し照れくさそうにしたり、素っ気なくなったりすることもあります。私としては少し寂しい気もしますが、それも成長の証なのでしょう。

 男の子も女の子も、それぞれの形で少しずつ子どもから大人へと変わっていきます。ただ正直に言うと、私は男性ですので、特に女の子たちの気持ちは分からないこともあります。

 良かれと思ってかけた言葉が響かなかったり、以前と同じ接し方では上手くいかなかったりすることもあります。指導者として悩むことも少なくありません。

 実は卒業したOBやOGに会う機会があると、私は時々こんなことを聞いています。「君は(反抗期の)あの頃、なかなか大変だったよな。」「結局ああいう時はどう接するのが正解だったのかな。」

 ところが返ってくるのは、「そんなことありましたっけ?」とか、「あれで良かったですよ(適当)。」といった何とも要領を得ない返事ばかりです。

 こちらは長い間悩んでいたのですが、当の本人たちは案外覚えていないようです。結局のところ、いまだに正解は分かりません。高学年や中学生の取扱説明書があるのなら、一度読んでみたいくらいです。

 ただ、今になって思うのは、本人たちもまた自分自身のことがよく分からない時期なのだろうということです。昨日まで平気だったことが急に気になったり、自分でも理由の分からない感情に戸惑ったりすることもあるのでしょう。

 だからこそ最近は、以前より見守るというスタンスを取ることを覚えたような気がします。もちろん、挨拶や礼儀、人への思いやりといった部分はこれからも大切にしてほしいと思っています。しかし、それ以外の部分については、無理に答えを急がせるのではなく、その子なりのペースを尊重したいとも考えるようになりました。だから、言いたいことがあっても一旦深呼吸して、言うべきか否かをもう一度自分に問い直しています。

 一研会には長く続けてくれている高学年や中学生の道場生がたくさんいます。後輩たちの手本となり、時には稽古を支え、道場の雰囲気を作ってくれている存在です。

 私ははそんな彼ら、彼女らに感謝しています。そして、これからもその成長を見守っていきたいと思っています。今はなかなか伝わらないかもしれません。それでもいつか大人になった時に、「あの頃の空手は楽しかったな」と思い出してもらえたら、指導員としてこれ以上嬉しいことはありません。