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連載⑤挑戦精神

 私は組手が好きです。黒帯や道場生からもよく「組手、好きですね」と言われます。実際、あらゆる稽古の中でも組手が一番好きです。組手は日頃の稽古の集大成ですし、組手が空手の魅力のほぼすべてだと思っています。

 しかし私は勝利至上主義でも、試合偏重主義でもありません。試合で勝つことだけが空手の価値だとは思っていません。仲間と楽しく汗を流す時間にも意味があります。

 ただ一つだけ、私は試合や勝負を軽視する考え方には賛成できません。なぜなら、それらには人を成長させる力があるからです。

 試合に出れば必ず勝つわけではありません。むしろ負けることの方が多いかもしれません。

それでも挑戦する。不安でも前に出る。自分の力を試してみる。私はそういう姿勢を大切にしたいと思っています。

 もちろん、試合に出たから偉いわけではありません。しかし、本気で勝とうと努力した経験には大きな価値があります。結果として負けたとしても、その過程で学んだことは必ず次につながります。

 一研会は、勝つことだけを求める道場ではありません。しかし、挑戦することから逃げない道場ではありたいと思っています。

 目の前の課題に本気で向き合う。その積み重ねが、人を成長させるのだと私は考えています。