組手はサウナより簡単に整います?

 世の中は目下空前のサウナブーム。中高年の男性だけでなく、女性も若い人も、高校生ですら「整う」などと宣っております。ちなみに『整う』とはサウナ→水風呂→休憩を3回ほど繰り返した先に来るトランス状態『サウナトランス』のことを指すようです。一研会のDKニシカワ4級も現在サウナに嵌まっているようで、稽古後の会話の中でもよくその話が出ます。私自身も地方に行くと現地の温泉や銭湯、サウナに行くのが楽しみの一つですが、残念ながら整ったことはありません。

 しかし、思い返すと『あの状態って整ってたんじゃないの?』と思うことがあります。それはサウナや温泉で、ではなく、道場の組手の後です。毎回ではありませんが、ちょっとキツめの組手を10セット程度(キツ過ぎても駄目)行なった後、なんとも言えない多幸感に包まれることがあります。昔、稽古が終わって道場生がみんな帰ってからも、ひとり事務所の椅子に座って天井を見上げながらぼーっとしていたことがありますが、あれこそまさに整っていたのではないでしょうか?そう考えれば大昔、選手クラスの稽古が終わった後、みんななかなか帰らずいつまでも道場に残ってくだらないことをだらだらとしゃべっていたのは、みんなで整っていたのかもしれません。

 「何だ!わざわざサウナに行かなくてもこんな身近に整う方法があるじゃないか‼これを世間の人が知ればみんな道場に入門するに違いない‼」と一瞬思ったのですが、普通に考えれば空手道場に入門するよりサウナに行く方がずっとお手軽なことに気づきました。