良かった。

 稽古時の子どもたちのメンタルは常に安定しているわけではありません。前回の稽古では全く問題が無くても、今日の稽古には号泣しながらやって来る、なんてのは日常茶飯事です。それも『エッ?前回あんなにがんばっていたのに』ということもしょっちゅう。その理由も様々で「お母さんと離れたくない」「眠い」「もっとお友達と遊んでいたい」「空手が嫌い」、あとは本人にも嫌な理由が分からない、など。

 昔は号泣しながらやって来た子がいれば、保護者の方に「泣いていても良いので道場に放り込んでください」を言っていました。最近ももう少しやんわりと伝えるだけで基本的にはその姿勢は変わらないのですが、昔と違うのは道場に入室したあと、本人と可能な限りコミュニケーションを取る時間を保つことです。その時にはまずは道場に入室した勇気を讃えます。そして落ち着いた頃合いでなぜ泣いていたのか?何がイヤなのか?の聞き取りをします。もちろん原因が分かれば即対応。それでも泣き続けるようなら後ろで見学。そんな場合は予定を変更してでもその子が参加しやすい稽古メニューを追加して、できるだけ参加してもらいます。そして最後に「赤ちゃんは言葉を話せないから泣いて気持ちを伝えるが、○○君は話せるのだから次は泣かずに来て、先生に言いたいことがあるならきちんと話そう」と伝えます。

 ここしばらくそんな状態の子がいたのですが、今日の稽古には泣かずに道場に来てくれました。すぐに声をかけ「今日は頑張れそう?」と聞くと「オス‼」と元気に答えてくれました。良かったです。