不真面目な稽古態度はNGです。

 ここでも何度か書いた記憶がありますが、私は稽古中の不真面目な態度に関しては厳しく叱ることにしています。いくつか具体例を挙げれば①きちんと挨拶をしない②話を聞いていなかったり、稽古中に私語をする③ミットトレーニングや組手稽古中にふざける④物(サポーターやミットなど)を粗末に扱う⑤頻繁に忘れ物をする、などといったところでしょうか。

 ちなみに、そんな風に厳しく指導をしていると、時折保護者の方から「子どもが空手が楽しくないと言ってます」という相談を受けることがありますが、内心『そりゃ、そうだろうな』と思っています。道場のルールは面倒くさく上に、稽古は痛くてキツくて、おまけに先生は怖いのですから当然です。もちろん私自身も道場生のみんなには楽しく稽古してもらえるにこしたことはないと考えていますが、かといって楽しさを優先すれば本末転倒です。武道である空手は楽しむことを目的としたスポーツやゲームとは根本的に違い、空手道場は空手の技術を身につけると同時に、厳しい稽古と通して自分自身を研く場ですから。

 閑話休題。不真面目な稽古態度を叱る理由は、詰まるところ稽古中の大きな事故に繋がる可能性が高まるからです。先述した具体例はすべて空手や道場、稽古仲間への敬意に欠けています。真剣に空手と向き合っている人間にとって、そんな不真面目な人間と一緒に稽古することはリスクしかありません。最も、周囲への敬意が必要なのは空手だけではないと思いますが。