組手稽古が苦手な人について思うこと

 春の昇級審査会が無事終わり、次は夏の道場内交流試合に向けて、今日の稽古から組手稽古も再開です。近年は昔と違って毎回ガチンコのスパーリングで心と体を追い込むということはありません。昔は毎回が真剣勝負でしたから、当然怪我も絶えませんでした。疲労も抜けず、パフォーマンスは低下していきます。それでも組手を楽しいと感じる人間が毎日深夜まで道場に残って組手に励んでいました。

 しかし、徐々に技術の向上を目的としたスパーリングやマススパーリングを稽古に取り入れることが多くなり、現在では追い込む稽古は限定的になったように思います。一研会もキッズクラスやジュニアクラスでは普段はマススパーリングやライトスパーが中心で、ガチンコは体格やレベルを合わせた相手とせいぜいラスト1、2セットくらいに止めています。

 ただ、それでも組手に対して苦手意識を持つ道場生は多いです。これは初心者に限りません。ある程度キャリアやスキルのある道場生も「組手はあんまり…」と口にすることがあります。中堅や上級者でもこうですから、最近の子どもたちは暴力に対する耐性がなくなってきているのではないでしょう。世界が平等で本当に平和ならそれも結構だと思うのですが。