時には貪欲さも必要です。

 一研会の道場生は、大人も子どももよその空手道場と比べて少しおっとりした人が多いように思います。良い意味ではみんなが仲良くのどかで、道場内も殺伐とした雰囲気ではありません。しかし、悪い意味では危機感に欠け、貪欲さが足りません。

 現代の日本で平和に日々空手の道場に通えている時点で本当の意味でのハングリー精神など求めるべきではないのはよく分かっています。ただ、だからといって何でも順番を待っていれば手に入るというものではありません。審査や試合では、ただ待っていても新しい帯やトロフィーはもらえません。

 今の世の中は競争社会です。程度の差こそあれ、勝負に負けた人間が勝った人間の分の割を食うのは当然です。時には先輩であろうが何であろうが追い越してやろうという強い気持ちが必要です。

 それが道場に心地よい緊張感をもたらします。勝負にこだわり、相手をリスペクトしつつも、勝負となれば先輩も後輩も無く激しく競い合ってこそ健全な空手道場です。