慣れた頃が危険です。

 一研会の道場生の大半が空手を始めて約2年ほど。みんな、帯も少しずつ上がって道場にも稽古にも先生にも随分慣れてきたと思います。ただ、その『慣れ』が怖いんです。空手を始めたばかりの頃は稽古中は始めから終わりまで緊張のし通しだったと思います。しかし、道場の雰囲気にも馴染んで、道場内にお友達も出来たりすると徐々に緊張も解けてきます。

 そういう時こそ危険です。車の運転と同じで、慣れた頃の油断が思わぬ怪我を招くことが多いんです。それでなくてもフルコンタクト空手はお互いが相手を倒そうとしているのですから、当然怪我はつきものです。真剣に稽古に取り組んでいても怪我や事故を100パーセント防ぐことは出来ません。気が緩んだ状態で稽古をしているとなおさらです。もし自分の油断が原因で怪我をしたり、相手に怪我をさせたりしたら悔やんでも悔やみきれません。

 ここでもう一度気を引き締めて、稽古時の自分の行動をチェックしてみてください。大きな声で挨拶が出来ているか、靴をきちんと揃えているか、荷物は決まった場所に整理して置いているか、忘れ物や持ち物の紛失はないか、帯はきちんと結べているか、サポーターを正しく着用しているか、稽古中ちゃんと先生の話を聞いているか、等々。

 空手は一歩間違えると大変危険です。いい加減な気持ちでやっていいものではありません。中途半端な気持ちで空手と向き合っていると近い将来必ず手痛いしっぺ返しを喰らうでしょう。自分の道場生にそんな思いはして欲しくないので、自分はこれからも不真面目な稽古態度は厳しく叱ります。

 しかし、空手は真剣な気持ちで取り組めばとてもやり甲斐のある武道です。