挨拶について

 入会したばかりの道場生は、道場の雰囲気に慣れるまでは、道場に来ること自体が一つのハードルだと思います。中でも『押忍』という挨拶が嫌という声も時折聞こえてきます。空手道場ではその性質上、礼儀礼節を軽んじることは出来ないので、挨拶については厳しく指導します。その際の『押忍』、これが少年部や空手初心者の方にとっては違和感があるのでしょう。

 大人の方は『郷に入れば郷に従え』で割り切ることが出来ますが、幼年少年部の道場生にとっては普段使っていない言葉での挨拶は結構辛いものかもしれません。そのせいか、初めから大きな声で「押忍‼」と言える子もいますが、恥ずかしそうに小声で「おす」と挨拶する子の方が多いように思います。

 大声で「押忍」と挨拶するのは傍から見ていると元気がよくて楽しそうに見えますが、これは指導する側がその効果を意識したアピールのための強制で、単なる自己満足のような気がします。確かに大きな声を出せることは大切ですが、一研会では大声でがなり立てるような必要以上の『押忍』の挨拶を強制していません。

 そもそも現在、空手道場で挨拶や返事に使われている『押忍』は「おはようございます」が短縮され「オッス」になったものに、武道の精神をあらわす『押して忍ぶ』(自我を抑え我慢する)の字をあてたものです。「あざっす」と大して変わりません。そして、私自身空手関係以外の人との会話の中で『押忍』を使うことはありません。

 本来は挨拶や返事の『押忍』の強制をするのではなく、『押忍』の本来の意味を伝え、それを胸の内に秘めることを指導すべきなのだと思います。。